「これで佐々木の振り返りテスト合格しないと、県大会間に合わないでしょー?」

「うん…そうだね」

「それじゃサッカー部的に困るの確実じゃんか!一応、エースなんだし」



そうなんだよね。

翼くんが県大会出られなくなるのは、部内でも非常に死活問題だ。

今年はインターハイも目指しているところだし。



「まぁ、学年1位に教われば大丈夫っしょ」

「…うーん」



人に教えた事無いから、ちゃんと分かりやすく説明できるか今から心配。


翼くんと2人きりになれるのは凄く嬉しいんだけど、サッカー部を背負ってると思うと荷が重い…。


放課後、大丈夫かな…?



「あ、そんなつばさに!はい、コレ」



茉希は思い出したかのように鞄から何やら可愛らしい縦長の袋を出した。



「何…?」

「コレね、xxx(キス)の新作ルージュだよー」


袋から出されたのは、少し赤めの色をした大人っぽくて可愛らしいルージュだった。