「翼くん……」
「ったく…つばささ、前にもこんなことなかったっけ?」
翼くんは「はぁ」とため息を吐いた。
なんか私、いろいろ翼くんに助けてもらったことが多すぎる気がする……。
部活の時だって、先輩にからかわれているところを助けてくれたり。
去年の文化祭実行委員だって、男子の代表を翼くんが引き受けてくれて主体となってやってくれたし。
「まぁいいや。お前助けんの、なんか慣れたわ」
ふっと小さく笑って、翼くんの手が私の頬にスッと触れた。
その手が大きくて、暖かくて……。
なんだか、自分の不甲斐なさに泣けてきた。
「えっ、な、泣いてる!?」
「だ、だってぇ……」
「もー、泣くなって!」
その瞬間、ふわっと翼くんの胸へと抱き寄せられた。
え、え、何ー!?
自分の今の状況が読めなくてアタフタしてしまったけど、それと同時に翼くんに寄りかかる心地良さを感じていた。