「ねぇ雅也」
「ん?」
「す…す、すき…」
「…っ、、、その顔、他の男の前でしちゃダメだからな?」
「え?なんでぇ??」
「可愛すぎて変な男がよってくるから」
「か、かわいくなんか…」
「あるから」
「そ、そんなこと言ったら雅也くんだってかっこよすぎて他の女の子がいっぱいよってくるじゃん…」
「なに?嫉妬?」
「…そ、、そうですけど、、、」
素直に言っちゃったけど、重い女って思われたかな…
(雅也)
「かわいっ、なに、もう綺月は…これ以上こんなことしてたら俺理性崩壊する」
「?」
「あー、もう!ここどこか分かってる?」
「雅也くんのお部屋?」
「そーだよ!男の部屋に二人きりだぞ!?」
「うん。たのしーね」
「いや、俺は楽しいと言うよりも理性保つのに必死だわ」
「雅也くん、楽しくないの?」
「っ…だからその上目遣いにうるうるな目…」
「??」
「?もしかして綺月、熱ある?」
「そんなのないよ~」
とか言ってる綺月のおでこを触ると、どう考えても熱がある熱さ。
「えーっと体温計は…っと」
近くの引き出しから体温計を取り出し、綺月にごめんと言ってすこしボタンを外し、体温計を脇に挟む。
この時の俺が理性を保つことに必死だったことは言うまでもない。
ピピピピッ
体温計をとって表示をみると、
「38.8!?」
嘘だろ!?
朝は元気だったはず…
腕を掴んだ時も手を繋いだ時も熱くはなかった…
「綺月、大丈夫か!?」
「ほぇ~?だいおーぶ~(大丈夫)」
「これは大丈夫じゃねーだろ…」
取り敢えず部屋のベッドに寝かせて、リビングから冷えピタを持ってきて、綺月のおでこに貼る。
少しして、スースーと規則正しい寝息が聞こえてきた。
「寝て良かったのか悪かったのか…てかどうしよ…」
部屋には、掛け時計の秒針の動く音と、綺月の規則正しい寝息だけが響いている。
そう言えば学校からの帰り、俺の方が先には家に着くから綺月の家は知らない…
でもまぁ、一人暮らしって言ってたし…
ピーンポーン
んだよ。
こんなときに
仕方なく玄関に言ってドアを開ける。
ガチャッ
「ハロー!元気だった?雅也っ」
「っるせーな。近所迷惑だろ。」
「まぁ失礼ねっ」
「母さんの高い声は迷惑なんだよ。てかなんだよ急に」
「それは、、、悠介(ユウスケ)くんが…」
「また親父と喧嘩したのかよ。ま、どうせ30分以内に迎えに来るだろうけど。」
「こ、今回は迎えに来ても帰らないわ!」
「そのセリフ聞きあきたわ。」
「んもうっ!…ってこの靴、女の子のじゃない!?」
ちっ、なんでこのタイミングで気付くんだよ。
「もしかして、彼女!?雅也に!?うそっ!?」
「んだよ。いたらわりぃのかよ」
「お母さんは感激してるのよ!あの雅也に…」
「あのってなんだよあのって。」
「彼女さんはどこにいるの!?」
「俺の部屋で寝てっから静かにしろ」
「ね、ねねね、寝てる!?もしかして雅也…」
「いい歳して変なこと想像してんじゃねーよ。」
「い、いい歳って酷いわねぇ」
いや、だってもう30代後半…いや、40手前だぞ…
「ま、ここ玄関だし、リビングでテレビでもみてれば?どーせすぐ迎えに来るんだし。」
「そうね。じゃっ、おじゃましまーす」