「宮野さん」


名前を呼ばれて、佳苗は振り返った。


「商品の陳列お願いしていいかな?」


「わかりました」



店内は、昼のピークを過ぎて客の姿はまばらになっていた。



―――宮野とのデートから、一ヶ月が過ぎようとしていた。



あれからも、女とは会っているようだったが、その回数は減ったように思う。



少しずつ、あの人の心は戻ってきている・・・



あと少し。



あと少し・・・



佳苗は段ボールに入っていた商品を全部並べ終えて、立ち上がった。



―――!



そこに―――理穂が立っていた。