―――私はずっと悩んでた。


夫の浮気の事。


離婚する?


それも考えた。


でも、私は夫を愛してる。


20年の間に薄れていた感情に、私は改めて気付かされた。


浮気の原因・・・


私にも、あったのかもしれない。


今からでも・・・まだ間に合う?


私たち・・・やり直せる?



「佳苗、食べないのか?麺がのびるぞ」


宮野の声に、佳苗はハッと顔を上げた。


いつの間にか、ラーメンがきている。


「あら、美味しそう」


佳苗はそう言って、箸に手を伸ばした。