宮野は車を運転しながら考えていた。


――最近、ずっと佳苗の様子がおかしかった。



もしかしたら、浮気に気付いたのかもしれない・・。


そう思っていた。



でも、佳苗は特に何も言ってこない。


俺の勘違いだろうか?


「ねぇ、あなた」


佳苗が窓の外を指さした。


「新しいラーメン屋が出来てるわよ!」


「おっ。本当だな」


宮野も知らないラーメン屋だった。


「―――そういえば、昔よく二人でラーメン食べに行ってたなぁ」


「あ!それ、結婚する前の話でしょ?懐かしい」


二人は顔を見合わせてプッと吹き出した。


「私たち、随分年とっちゃったわね」


「ああ」


結婚して、もう20年かぁ・・・。

いろんな事があったな。


「―――よし、久しぶりにラーメン食べに行こうか」

宮野の言葉に、佳苗は笑顔で頷いた。