「ねぇ、あなた」


日曜日の朝―――。


いつも10時近くまで寝る宮野だが、
佳苗に体を揺さぶられてうっすらと目を開けた。


「あなた、起きて」


カーテンが開けられ、眩しさに目を細める。


「――んー、どうした?」


「デートしましょ」


「え?」


「たまにはいいでしょ?」


佳苗はニコッと笑った。


――――



宮野は着替を済ませて一階に降りていった。


「佳苗、どこか行きたいところがあるのか?」


「特にはないんだけど、最近二人で出掛ける事なかったでしょ?」


「―――そういえば」


「陽子は友達のところに行くみたいだし」


「そうか。――じゃあ、行くか」