遠藤理穂は、仕事を早めに終えて父の家に向かっていた。


「礼二さん・・逢いたかったのに」


宮野に電話をしてみたが今日は会えないと断られてしまった。


毎日のように会ってたから、なんだか寂しい・・。


理穂はため息をついた。


彼には奥さんがいる・・・。


彼には子供がいる・・・。


彼には家庭がある。


どんなに愛していても、私は愛人。


―――それでいいと思ってた。


思ってたのに・・・。



想いが強くなるのと同時に、独占欲も強くなる。



『私だけのものにしたい』


これは欲張り?