あの日から、ずっと考えていた。


――夫婦って、何?


私たちの20年って、なんだったの?



私たち、愛しあって結婚したはずなのに・・・。


どうしてなの?


―――【浮気】。


ずっと他人事だと思ってた・・・。


ねぇ

私の何がいけなかったの――?


佳苗はグッと唇を噛み締めた。


コンコン。


休憩室のドアがノックされて、店長が顔を覗かせた。


「宮野さん、ごめん。レジ混んできたから手伝ってくれる?」


「はい、すぐ行きます」



悲しみ

怒り

憎しみ


いろんな感情が交差する中、一つだけ確信したこと。


―――こんなにショックを受けるほど、私・・・あの人を愛していたんだなぁ。