「オヤジ、今日から仕事って大丈夫なのか?」

相原斗真は病み上がりの父を心配そうに見た。

「もう大丈夫だ。お前には心配かけたな、すまん」

「俺は別にいいよ。無理してまた倒れたりすんなよな」
斗真の言葉に、父は嬉しそうに笑った。

「ありがとう。お前は優しいな」

「何言ってんだよ。――そうだ、今日姉ちゃんが来るって言ってたから、早く帰ってきてくれよ」

「珍しいな。何ヶ月振りだ?――分かった。なるべく早く帰る」

と、父は家を出て行った。