先生はそのままポツリと言葉を落とす。


「俺はズルい奴だよ」

「そんなこと、ありませんよ」

「いつだって、おまえと二人でいても変に思われないように、言い訳ばかり探していた」


思い出すことは、毎年やった長期休みの間の二人での補習。

そのおかげか、一年生のころよりも格段にあたしの学力は上がって大学にまで行けるようになった。

修学旅行では、自由時間にあたしたちのグループと一緒に回った先生。

遊園地でジェットコースターを先生の隣で乗れたことは本当に大切な思い出だ。

クラスで行った校外研修では、その前に下見だと称して先生と一緒に二人で行った。

あのときは、ただ嬉しかったけれど、実は先生も同じ気持ちだったのかな?