それからあたしはおとなしく先生の腕の中にいたけれど、一方でどうしてこうなったのか、普段はよく使わない頭を使って考えた。

……出てくる考えはあたしに都合のいいことばっかりで、あたしは力なく首を横に振る。


期待は、しない。

外れれば、ただ苦しいだけだから。



先生もあたしが好きなのかも、なんて。



あぁ、だからはやく現実をぶつけてよ。

こんな夢みたいな幸せな時間、はやく終わらせて。

あたしはこのトキを大切な思い出にするつもりなんだから。