先生に見つからないように俯くけれど、手遅れで、先生の指があたしの目尻をなぞる。


「おまえなー、なんで急に泣くんだ?」

「……せっ、せんせいがすきだから、ですよ」


ハッと口元を抑えたときにはもう言葉を取り消すことができなくて、あたしは方向転換。

ドアへ向かって一直線。