「先生、よく聞いてね。あたしはね、先生のことを想って何度も泣いて、先生のことを何度も諦めた」
息を呑んで、顔をそらせようとした先生。
あたしはそんなことは許さずに手に力を入れて、目を合わせる。
微かに怯えた先生に、あたしは心配ないよと言うつもりで笑いかける。
「でもね、そのたびにせんせいのこと、すきになった! あたしは、せんせい“が”いいの! せんせいじゃなきゃ、いやっ!」
泣きながらだったから、あまり効果はなかったかもしれない。
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