「佑麻ちゃん、このお野菜 炒めてくれる?」


「は〜い♪♪」



瀬那のお母さんと並ぶキッチン。

瀬那を育ててくれた人と、

瀬那が育ってきた家で、

瀬那が慣れ親しんだ味を作る。



それが、私にはどうしようもなく特別なことのように思えて、嬉しくて、ワクワクして、世界がキラキラして見えるんだから不思議。



───ジューッ



熱したフライパンに野菜を入れれば、手際よく炒めていく私。うんうん、我ながら様になってきた!

今日の私はいつもと気合が違うんだから!あーあ、瀬那にもこの華麗なフライパンさばき見て欲しかったなぁ♡





───ガチャッ



あっ、



「ただいま」



ナイスタイミング!と言わんばかりに帰ってきた瀬那に、嬉しくって、早くおかえりが言いたくて、満面の笑みで勢いよくリビングのドアを振り返った私は、



「あっぢぃ!!!」


「ちょ……佑麻ちゃん!大丈夫!?」





……フライパンで、自分の指を焼きました。