「なんか可愛すぎて私にはもったい気がして……。それに、指にはめたりして失くすの嫌だし!」


「……理解に苦しむ」



嘘偽りのない言葉を私に突き付け、またまた呆れたように軽く溜息を零す瀬那だけど、分かんなくていいもん。乙女心は瀬那が思ってる数千倍複雑なんだから!



「よーし!頑張って、もっともっと花嫁修業して、このエンゲージリングに似合う女になる!!」



そしたら、その時は……これ付けて瀬那とデートに行くのもありかな!?もちろん失くさないように常に指輪見てるけど!一時も目を離したりしないけど!!




「似合うと思ったから買ったんだけど、な」



「え?今なんか言った?」


ボソッと。
聞き取れないくらい小さな声で瀬那が何か言った気がして、指輪から顔をあげて聞き返した私に



「失くしたらまた買ってやるよ」



───ズッキュン!!!



私のハートに矢を射て、私の大好きな笑顔を投下する瀬那は、いつか私を簡単に殺せてしまうんじゃないだろうかと


本気で思う佑麻ちゃんである。