「……そんな顔すんなよ」


「そんな顔ってどんな顔でしょう」


明らかに不貞腐れた顔をしているであろう私に、少し呆れたような瀬那の笑顔。


唇を突き出して、キス出来なかったことがどれだけ残念だったかを演出している今の私は5歳児にも笑われてしまいそう。



「今度の日曜日はゆっくり出来そうだから」


「……ほんと!?」


「あぁ。何したいか考えといて」



っ〜やったぁあぁあ!!!!♡♡
瀬那のオフ、瀬那のオフ〜♪♪



さっきまで拗ねてたのが嘘みたいに上機嫌になった私を見て「分かりやすっ」と小さく零して口角をあげる瀬那に、


「楽しみにしてるね!!!」



満面の笑みでそれだけ告げてお母さんのいるキッチンへと向かう。



効果音は"ルンルン♪♪"で、今なら空気イス1時間は笑顔で耐えられそう。



「あ、佑麻ちゃん!火傷の具合はどう?」


「瀬那の愛でだいぶ痛みも和らぎました!」



……って、別に空気イスに1時間も笑顔で耐える必要はないんだけどね。つまりほら、それくらい嬉しいってこと。