「あの違うの!瀬那との距離が思ったより近かったから」
「今更何意識してんだよ」
いや、それを言われたらそうなんだけど。
でも私はいつまで経っても、あの頃のままなんだもん。瀬那が好きで好きで大好きで仕方ない、
何ならあの頃よりも好きの気持ちはもっともっと膨らんでて、
「だって、好きなんだもん」
どうしたら瀬那に全部伝えられるのか頭抱えて悩んじゃう勢いなんだから。
瀬那がフッと私に柔らかく微笑んだ次の瞬間、ソファが静かに軋む。
一瞬で目の前にやってきた瀬那の顔に、今でもこんなにドキドキする。
「……っ」
最近、忙しくてあまり構ってくれない瀬那が今日はやけに構ってくれて、挙句 リビングだって言うのに多分この雰囲気……間違いなく……
ギュッと目をつぶって
完全なる受け入れ態勢に出た私。
唇荒れてないかな?
アイメイク落ちてないかな?
変な顔してないかな?
考え出したら止まらない心配も、やっぱりあの頃のまま。
そんな私に降ってきたのは、
「ブッ……」
「え……?」
瀬那からの甘〜いキス、なんかじゃなくって。