「えっ!?だって、部活は?」
「いいよ、今日くらい休んだって」
「だめだよ!」
久我くんが、一日だって休むのを惜しんでたくらい。
2年生から入部した蒼くんは、休んでる暇なんてないはず。
みんなに追いつくために、きっと人の倍は練習をする……蒼くんはそんな人だもん。
「4月からバスケづけだったから、たまにはリフレッシュしたいなーって思ってたとこなんだよ」
……そんなの嘘。
バスケが大好きでたまらないでしょ?
復活出来た喜びが体じゅうから溢れてたの、見れてばわかるよ。
「……蒼くん」
「だから、俺も帰る」
それでもその嘘がうれしくて、受け入れてしまうあたしはズルいのかもしれない。
蒼くんと一緒にいたい気持ちは、なににも代えがたいものだから。