「ほんとに大丈夫か?」



お兄ちゃんが病気をしたから、あたしまで何かあるんじゃないかって心配してくれてるんだと思う。

蒼くんは、すごく優しい人だから。



「うん、大丈夫」



部活の練習着に身を包んでいる蒼くん。

きっと部活に出ていたんだろうけど、工藤くんあたりから聞いて、駆けつけてくれたんだと思うとすごく申し訳ない。



「蒼くんありがとう。心配かけてごめんね?あたしはもう大丈夫だから、蒼くんは部活に行って?」



時計を見れば、5時を過ぎている。

いつからいてくれたのか分からないけど、部活まっただ中のはず。



「いや、俺はもうこのまま美紗と一緒に帰るよ」



当たり前のように言う蒼くんに、あたしは目を見開いた。