「高校に入ってびっくりしたよ!
SHUN様にそっくりな人がいたんだもん!」
「...つまり、俺とSHUNを重ねてたんだ...」
ダブルショックだわ。
美和は俺が好きって言うより、SHUN似の俺が好きだったんかい。
亮介...。
お前、『どうして美和ちゃんがお前なんかと』って言ってたな。
理由が判明したよ。
俺がSHUNだったからだ...。
「違うよっ!!」
「っ!?」
耳がキーンと痛くなるほどの大声を耳元で出されて、思わずのけぞった。
耳が、耳がァァ!!
ライブで騒ぎまくってたのによくそんな大声出せるな!?
声帯も強いのか!?
耳を押さえ、某有名アニメの某有名悪役の最期のように悶絶する俺に構わず、美和は続ける。
「最初はSHUN様だなあって見てたけど、告白したのは本当に柊真くんを好きになったからだよ!!
自分のことをどんなに悪く言われても、柊真くんは絶対に人を悪く言わないもん!!」
「え、み、美和?」
「だから頑張って告白したのに...。
SHUN様と柊真くんは似てるけど、〝好き〟の気持ちは全然別物だよ!!」
涙目で、必死に。
唇を噛み締めて泣くのを我慢しながら叫ぶ彼女を見て、場違いにも『可愛い』と思った。
あー。
なんで俺、こんなに可愛い女の子と付き合えたんだろ。