見上げれば、透き通る青い空。



雲一つないまっさらなその空は、言うなればまるで、今の俺の心のよう。



すがすがしいまでに、快晴。



それくらい今の俺は気分がいい。



世界はバラ色で、何もかもが美しく見える。



あぁ、愛おしきこの世界。


君と出会うために俺は生きてきたんだ。




...それにしても、先月までのあのどんよりとした気分はどこに行ってしまったのだろうか。



モヤモヤと俺の心の中に巣食い、活力を奪い、そのせいであの頃は世界が灰色に見えた。



俺を悩ませ追い詰めた、あの忌まわしい〝不吉な塊〟ってやつはどこに消えたのだろうか。




まあ、何であれ、今のこの俺に勝てるわけはないが。