ここはとある県のごく普通の公立高校。


そこに日紫喜 由(ニシキユウ)という17歳の女の子が1人。

彼女の父親は警察官。
母は中学二年生の時に他界しておらず、男手一つで父は一人娘を大事に育ててきた。

だが、由には楽しい'高校生活'がない。
彼女は、いじめにあっているのだ。


とても陰湿な____













由「はぁ。」

学校に着き、自分の机にされた心無い落書きを見てため息をつく。



____またか。


これが、由の心の声であろう。



体操服を隠されたり、上履きを盗まれたり
教科書が無くなることは毎度のこと。


教室に自分の机すら無いこともあった。




由「高校生にもなっていじめなんてガキかよ。」


そう由は呟く。
由の言うことは最もであろう。







授業が始まり、気づけば三時間目。



由は教室を出てある場所に向かう。


























”保健室”

そう書かれた札が掛かってある。






由「失礼します。」





「いらっしゃい。」










出迎えてくれたのは、養護の岡田先生。







「荷物持ってるけど、、早退するの?」

由「はい。」


「分かった、担任の先生に報告しておくわね」

























自分で報告とかめんどくさいし、担任なんて信用してない___






由はいつしか大人も信用しなくなってしまった。
これもきっといじめのせいであろうか。


信じられるのは、父親と岡田先生

そして、父の仕事仲間…………くらいであろう。














校門を出て、まだお昼時に由は家路につく。
学校には来れても、早退はしょっちゅうのこと。



それもそうであろう。





居心地が悪すぎる。









































由「ただいま。」










そう言っても、返事は返ってこない。
父はまだ仕事。





自室に入り、部屋着に着替えパソコンを開く。























♪ピロン



ケータイから音が鳴る。





























_____柊(ヒイラギ)さん








柊:捜査を手伝って欲しい。









由のケータイにこのようなメールが来るのは珍しいことではない。


今までにも何度も父の手助けと称して、捜査に加わってきた。
父に似て、正義感が強く警察官として素質もあるのか、由はとても冴えている。





実際頭もいいのだから。








由はそのメールに対し、了解です と返事をし私服に着替えて警察署へ向かう。