ーーあっという間に時は過ぎ、林間学習当日。

天気は快晴。体調も絶好調。

A.M.7時30分

講堂前のロビーはとても賑やかだった。

担任 「はい、注目!行き先はしおりに載ってる通り、京都です!2泊3日で1日目は民泊、2日目はホテルだから覚えといてね!」

声を張り上げる担任にバラバラとはーいと返事をする。

担任 「じゃあ生徒代表の桜田から一言ー!」

桜田 「はい。皆さん、この3日間ルールを破らず、有意義とした時間を過ごしましょう。以上ですわ」

桜田は黒髪を翻し自分の場所へ戻った。

担任 「はい、では1組から順番にバスに乗っていきます、京都まで1時間半ほどだけど酔う人はちゃんと酔い止め飲んでー」

いよいよ林間学習。

さて、ここからが問題だ。

なぜって?

それはーー

月詠 「隣よろしく」

咲 「おっおう…」

班長は班長でひとかたまりになって座るのだ。

咲はじゃんけんで負け、女子の隣に座ることになった。

なんと月詠以外、男子だった。

咲 「あ、月詠バス酔い大丈夫?」

月詠 「ええ」

そして5分後にバスは出発した。

10分後にカラオケ大会が始まった。

咲 「なぁ、月詠歌ったら?」

咲は都に歌うことを進めた。

咲は無性に都の歌声が聞きたかった。

だが、

月詠 「私は、見せびらかすために歌うんじゃない。誰かに…想いを伝えたい誰かに向けて歌うの」

咲 「うーん…ちょっと言ってることわかんね。」

月詠 「理解しなくていいわ」

咲 (誰かに…想いを伝えるために…?)

じゃあ、あの時カラオケで歌ってたのはーー

月詠 「あのさ、勘違いしないでね。あん時カラオケで歌ってたのはただのストレス発散」

咲 「あ、なんだーーってなんで俺の思ってたことわかったの!?」

月詠 「…」

咲 「無視はひでぇ!?」

月詠 「うるさい」

咲 「ごめんなさい」

それ以降、咲と都が会話をすることは無かった。