――――ヒロの言葉は、正しかった。


 見ると、ジャスティスの売り上げは、ティアーモよりも二百万程も多い。やっぱり、輝さんと竜馬さんを引き抜かれてしまった事が穴として響いていた。


「あんな大見得切って受けた勝負が、この結果か。相手にならないな」


 そんな不遜なヒロの言葉にカチンときて言い返そうとすると、それを青葉が遮った。私を押し退けヒロの前に出る。


「たった一日勝っただけで息まいてんじゃねえよ。勝負はこれからだ」

「……なるほど、まだやる気はあるみたいだな。もう降参するかと思ったが」

「するかよ! 精々今のうちに喜んどくんだな。次はお前が泣きを入れてくる事になるだろうよ」


 今度は青葉の言葉にヒロがカチンときたみたいだ。もう顔は笑ってはいなかった。


「次も勝つのは俺だ! お前らは早く閉店の準備しとくんだな!」


 憎々しい捨て台詞を吐き出す。ヒロの投げつけた言葉にハッとして皆を見ると、やっぱりみんな気が付いてしまったみたいだ。ザワザワと動揺してしまっている。

 ジャスティスとの勝負に負けたら、ティアーモは閉店。

 それは、みんなには言っていない事だったから。