美琴さんはジャスティスとのイベントに勝てるようにと、大きなシャンパンタワーを入れてくれた。他のお客様たちも美琴さんの勢いに乗せられたのか、お酒をどんどん入れてくれて。

 二部営業は大盛況で終わった。


 売り上げ勝負の一日目。ジャスティス側の結果は営業終了後に、連絡が来る事になっている。掃除も着替えも済ませたみんなは誰一人として帰らず、その連絡を待っていた。


「――――これはこれは、皆さんお揃いで」


 てっきり、電話で連絡が来ると思っていた。だけどジャスティスは直接ティアーモに現れたのだ。挑発するような態度と上からの偉そうな目線。

 それは、ヒロだった。

 彼は私たちを見渡すと、手にしていた一枚の書類を湯田さんに渡した。きっとそれはジャスティスの売り上げ表なんだろう。受け取った湯田さんは、それと引き換えにティアーモの売り上げ表を渡した。


 ……どうなんだろう。一日目は、勝てたんだろうか。


 ヒロは表を一瞥すると、馬鹿にしたようにフッと鼻を鳴らして笑った。


「――――俺たちの勝ちだな」


 まるで当たり前のようにそう言うと、ますます見下した視線を私たちに向ける。急いで湯田さんの元へ行き、彼の持っている表を覗き込んだ。