「今日はお父さんが出張で帰って来れなくて、
さっき連絡したら、お父さんも夢ちゃんに会いたかったって。」

「え、」

「藤真が初めて連れてきた彼女だもの。」


にっこり笑って言う藤真君のお母さん。


…また…。

嘘の彼女なのに。


彼の周りの近しい人に会うたびに反応に困ってしまう。


優しく受け入れてくれるから、


付き合ってなんか、いないよ。


そう、言えなくなる。


罪悪感で、苦しくなる。