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「これ。買って一度しか着てないんだけど、
夢ちゃんに似合いそうね。」


オフホワイトのニットセーターをあたしにあててそう言った藤真君のお母さん。

すごく高そうで、少し大人な感じが素敵だ。


「あたしにはちょっと若いのよね。
夢ちゃん、もらってくれない?」

「え、…いやいや、悪いです。」

「捨てるしかないかと、困ってたのよねー。」

「…捨てるだなんて、…いいんですか?」

「ふふっ。もらってくれる?嬉しいわ。」


そう優しく笑ってくれる姿が、


何度もお母さんと重なって、


お母さんと一緒にいるような、そんな気持ちにさせてくれた。