「あの、じゃあ、また。」

「ほんとに、藤真、待ってなくていいの?」

「あ、はい。まだ買い物があったの、忘れてたんで。」

「…そっか。じゃあ、今度また遊ぼうね。」

「あ、はい。」



ケーキショップを出て、紗也さんと別れる。


一段と寒くなった外を歩く。


しばらく歩いて、


「痛い…。」


我慢できずに近くの銀行の低い花壇に腰掛ける。


ジーンズの上から右膝を擦る。