「藤真が誘ってくれて良かった。」

「え?」

「あ、藤真なの。
彼女紹介したいから、遊ぼうって。ついでに誰か連れてこいって言ったのも。」


…ドクンと、心臓が嫌な音を立てる。


「藤真君が4人で遊ぼうって?」

「そう。
あたし、誰に声かけようか悩んでたんだけど、
お前の好きなやつ誘えよって言われて、」


…ドクン、ドクン。

胃の辺りが熱くなって気持ち悪い。


もしかしたら、そう思っていたことが当たってるかも知れない。


「あたし、大樹さんのこと誘おうと思って、」

「…。」

「でも、彼にはいつも気にしてる女の子がいるらしくて、」

「…っ、」

「もしかして彼女なのかな、なんて思ってて、」


それって、あたしの事だ、きっと。


「藤真がダブルデートに誘ってくれて、やっと勇気出して、断られるの覚悟して大樹さんに声かけたの。」