「紗也さん。」

「ん?」

「その、紗也さんの好きな人って、…大樹先輩、ですか?」

「…やだ、バレバレ?」


顔を赤らめて、わざとおどけるように言った紗也さんに、さっき怜奈ちゃんと話した疑問が出てきた。


「…それって、」

「ん?」

「…大樹先輩の事、いつから好きなんですか?」

「あー、えと、…バイト始めてしばらくしてくらいからかな。」


…そうなんだ。じゃあ、さっき怜奈ちゃんと話した通りって事なの?


「それ、藤真君も知ってたんですか?」

「…んー、いや、どうだろ。話したのかな、あたし。」


…また嫌な予感がした。

もしかしたら、と考えていたこと。

  

「あ!ごめんね。」

「え?」

「夢ちゃん達のデート、いつも邪魔するみたいになっちゃって。」

「…いえ、そんなこと。
4人で遊ぶの楽しいです。」

「…ありがとう。優しいね、夢ちゃん。」


4人でいて、楽しいのは本当。

紗也さんと藤真君の仲が良いところを見るのは辛いけど。

それに、2人じゃきっと藤真君は遊んでくれないしね。