「あれ?夢ちゃん?」


ふいに後ろから声がした。


振り返らなくても分かる、この声は、


「紗也さん…と、藤真君。」


今日もきれいな紗也さんと、どう見てもお似合いな藤真君がいた。


「やっぱり夢ちゃんだった。
どうしたの?こんなとこで。待ち合わせ?」


怜奈ちゃんと別れたのは駅前ビルの連絡橋。


まさか休日に、今日みたいに一段と寒くなった日に、


仮にも自分の彼氏が他の女の子といるのを、


冷静に見れる彼女っているんだろうか。


…せっかく、怜奈ちゃんに救ってもらったのにな。