「え？」

「大樹さんを誘った理由は？」

「…バイト先の先輩、だから？」

「毎回？」

「…そう、だね。」


怜奈ちゃんに聞かれて、だんだんと分かってきた。

なんとなく、悪い嫌な予感。


「…最初はただの先輩として、で、好きになって、大樹先輩を毎回呼ぶようになった。」

「それだって、２人はバイト先でも一緒なんでしょ？
遊ばなくても、大樹さんが気になるくらいには近くにいるんでしょ？」


…じゃあ、なに？

紗也さんは前から大樹先輩が好きだった？


「紗也さんってさ、」

「ん。」

「夢の事、知ってたんじゃない？」

「え？」

「大樹先輩が可愛がってる子がいるって、知ってたんじゃない？」

「…まさか。」

「まさか、じゃないでしょ？
大樹先輩、あんたの事、ほんとに妹だと思ってるもん。
どんな子か見たくなって、イケメン君に頼んだのかも。」

「…。」

「大樹先輩に、一度聞いてみたら？」

「…そう、だね。」