「藤真君。」

「ん?」

「いいよ、席戻って食べてて。
あたしもう少し見て回るから。」


そう言って、口元を上げて笑う。


「…何にしよっかな。どれも美味しそうで迷っちゃうね。」


料理の方に目を向けて、その場から離れる。


…雨、降ってきたら困るな…。


そう思いながら料理を見て回る。


あ、ローストビーフ。


手を伸ばしてトングに手を伸ばすと、


「これ?」

「…藤真君。」

「これでいい?」

「あ、…うん。え、あの、なんで?戻ってていいよ?」

「……あんたってさ、」

「…ん?」

「意外に肉食系?」

「…へ?」


あたしのお皿に乗った料理を見た藤真君がそう言った。


「!え、あ、ほんとだ。お肉料理ばっかりだ。」


さっきの唐揚げ以外にも、チキンロールが美味しそうで乗せていたし。


「…ははっ。自分で取ったのに?」

「だね。
野菜もとらなきゃ。お皿、貸してくれる?」

「いい。」

「え?」

「持つよ。行こう。」

「……あ、えと、」

「ん?」

「ありがとう。」

「…ん。」