「なんか、あたしの母親が無料券くれてねー。
4枚あったから、夢ちゃん達どうかなって、誘っちゃった。」

「ありがとうございます。嬉しいです。」



紗也さんと大樹先輩と待ち合わせたのは、駅前の有名ホテルで、そこのバイキングに誘ってくれていた。

藤真君とあたしは、わざわざ家まで迎えに来てもらうわけに行かないし、あたしは未だに藤真君の家を知らないし、結局駅で待ち合わせた。


「友達は皆、予定合わなくてねー。
母親も用があって来れないみたいだったし、それに、前からあたしここに食べに来てみたかったんだよね。
だから、今日は一緒に来てくれてありがとう。」


綺麗な顔した紗也さんは、すごく気さくで明るい人で、


きっとたくさんの人から好かれるような、


自然と周りに人が集まるような、


持つ雰囲気は違っても、


多分藤真君と、おんなじ所に居場所がある人。


藤真君が惹かれるのは、すごく自然だったろうし、


今まで側にいる間にきっと、何度も質問されたと思う。


「2人は付き合ってるの?」って。



…藤真君は、なんで告白しないんだろう?


紗也さんは少しも気づいてないのかな?