「大樹先輩の気になる人って、…紗也さん?」

「…バレた?」

「バレバレ。」

「マジ?!」

「……っはは。嘘。カマかけちゃった。」

「っ、なんだよぉー。……夢が悪い子だ。」

「はは、なにそれ。」

「からかう気マンマンだろが。」

「ううん、そんな、少しだけだよ。」

「少しはあるんかいっ!」


多分、優しい大樹先輩の事だから、


藤真君が紗也さんを連れて行った事を、あたしがあまり気にしないように会話を続けてくれてたんだと思った。


だって、注文する列に二人で並んでる姿は、


美男美女でほんとにお似合いで、


紗也さんが何かを言って、紗也さんと目を合わせて話す姿は、


誰がどう見てもカップルにしか見えなくて、


大樹先輩がいなければ、 


あたしはほんとにこの場にいれなくなっていたんじゃないかと思った。