大樹先輩には、ずっとお世話になりっぱなしだったから、申し訳なくて。


藤真君が迎えに来てくれるとわかった時、


今までずっと迎えに来てくれていた大樹先輩に断りのメールを入れた。


大樹先輩には、大樹先輩の生活があるし、


いつまでもあたしのお世話で手を煩わせたくなかったから、藤真君とのことを嘘をついてでも安心させて、

出来ればあたしのお世話係をやめて、自由になってもらいたかった。 


「今日は?彼氏、迎えは?」

「あ、うん。今日はほんとに急だったから言ってなくて。」

「…夢。危ないから、ちゃんと連絡しないと。
彼氏がダメなときは、俺に連絡くれれば来るし。
わかった?」

「…うん。ごめんね、ありがとう。」

「ん。じゃあ、送る。
久しぶりだなー、夢と話すの。
なんかあった?」

「うーん、彼氏ができたくらい?」

「お?一人もんにそんなこと言う?」

「早く作りなよ、彼女。」

「おまっ、簡単に言うなよなー。」

「あ、気になるって言ってた人とは?どうなった?」

「あー、それがさぁ、ーーー。」



あたしは一人っ子だけど、大樹先輩は中学の頃から変わらず、なんだかお兄ちゃんみたいで、

なんでも、年の離れた妹がいるらしくて、

その子みたいだと、面倒みてくれている。

今、小学一年の女の子と一緒だと思われてるのは心外だけど。