「…話がしたいんだけど。」

「あ、…、」

「いい?」

「…ん。」


話?話ってなんだろ?

顔も見たくないと言われたあの日に、もう、あたしとの別れ話は済んでるだろうし、

あ、倒れてからの話?

あたしは記憶にないけれど、こうしてお世話になっているし、早く出ていってほしいってことかな?

だよね。

もうなんの関係もないのに、何日も泊めてもらって、
迷惑かけて、

あ、…彼女だとまだ誤解されたら困るってことかな。

ああ、さっきお母さんが言ってたからか。


…ん?なんでお母さんが知ってるの?


大樹先輩にでも聞いたのかな?

あー、…ちゃんと訂正しておかないと、また藤真君に迷惑かけてしまう。



「…夢。」
「あの!だ、大丈夫。あの、うん。ちゃんと誤解は解いておくから。」

「…なんのこと?」

「あたしたちが、その、付き合ってたこと。
大樹先輩にも今からでも、すぐに訂正しておくね。あ、えと、スマホ…、っは、えと、ないんだっけ。あ、あの、」

「夢。」

「あ、…後でいい、かな?スマホが、なくて。」