「あの、…夢と話しても…?」

「ああ、ええ、もちろんよ。」


そう言ってお母さんが藤真君に場所を譲る。


「え、…ちょっ、ちょっと待って、お母さん。」

「なぁに?テレてるの?」

「え?」

「付き合ってるんでしょ。こんな素敵な彼なんて、うらやましいわ。」


なんて言って、

「ごゆっくりー。」と、お母さんが出て行った。


ゆっくりドアを閉めて、こちらにやって来た藤真君。


「…大丈夫?」

「え?」

「起きてて、しんどくない?」

「あ、う、うん。」


あたしが最後に彼を見たのは、後ろ姿で、

最後に聞いた声は、ひどく冷たいものだった。


だからか少し、二人になるのが怖い。