「気が動転してたの。
両親にすぐに承諾を得ることが出来なかった。
あなたを無理矢理連れて行く事も出来なくなった。
少し、気持ちを落ち着けようと思った。
…でも、そんなのお母さんの勝手よね。」

「…、」

「あなたと少しでも離れたこと、ひどく後悔したわ。
あなたが退院と同時に引っ越してしまったのを知った時、もう二度と会えないんじゃないかって、…絶望した。」


あたしが引っ越したことを知ったお母さんは、もちろんあたしを探してくれたらしい。

でも、一人で探してもすぐには見つからなかった。

もし見つけても、あたしと一緒に生活する為にはお金がいる。

仕事をしながらあたしを探して、

マレーシアの両親には手紙を送って、連絡を待った。