藤真君を追いかけて、こちらには顔を向けてくれない彼の背中に誤解だと告げた。


でも、彼の口から聞こえた言葉はどれも辛辣で、


ううん、きっと、正しい意見だった。


あたしが、大樹先輩に頼りすぎた。

紗也さんを誤解させて、不安にさせてしまった。



藤真君の口からはっきり、紗也さんが好きだと聞いた。

紗也さんに幸せになってほしいと。



ああ、もう。
　
あたしは、どうやって頑張ろうか。



顔を見たくないと、背を向けたままいった藤真君。

こんな汚い顔を晒したくはないけれど、

少しくらい顔を見せてほしかった。

最後くらい、顔が見たかった。



見たかったなぁ。