「…っ夢!」


バスルームにしゃがみこんだあたしの姿を見るなり、

慌てて近づいて視線を合わせるようにあたしの顔を覗きこんだ。


「!っ、」


あたしの顔を見て、

あたしの服を見て、

大樹先輩には珍しく動揺した。


「…ゆ、め。」

「…っ、」


見られた。

いくらなんでも、大樹先輩もびっくりしているはず。

こんな顔、こんな服、こんな、傷だらけの、

傷だらけの…、…汚い身体。


「た、いき先輩、あの、…大丈夫。
大丈夫、だから。あの、…」

「…。」

「ごめん、なさい。」

「…え?」

「ごめん、なさい。こんな、汚い身体、…ごめん、なさ、」


汚い。あたしは、汚い。