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「…夢?…夢?大丈夫か?なんかあった?」

「…、っ…、」

「っ夢?…どうした?」

「…た、いきせんぱ…、」

「ん?」

「…怖い。」

「え?」

「怖い。怖いよ。…っ。怖い…。」

「…夢、開けて?」

「…、」

「…こっちから、開けるぞ。いい?」


何分ここでこうしていたか分からない。

少なくとも、いつも急かしたりしない大樹先輩が声を掛けに来るくらいには時間が過ぎていたんだろう。


大樹先輩の問いかけに返事が出来ずにいたけれど、

それを肯定ととらえた大樹先輩によって、

ワンルームの簡易的な扉は、簡単に開いた。