「あ、だったら、やっぱりちゃんと連絡入れないと。
藤真君心配するだろ?」

「あ、うん。だね。」


…ほんとだったら、こんなとき、彼氏に連絡して、

会って抱きしめてもらうんだろうか。


そんなことを思いながら、服の上からスマホを探す。


…あれ?


スマホの感触がない。どころか、財布も何もかも、カバンに入れっぱなしだと気づく。


しかもスマホは、…。


忘れていたけど、あの時確か、あたしのスマホを女の人達が壊していた気がする。

ロックが解除出来なかったからか、投げつけて壊していた。

あの人に、スマホを買ってくれとは言えないから、

これからは連絡手段がなくなると、

玲奈ちゃんや、大樹先輩ならまだしも、

藤真君の電話番号は記憶してないから、

もうあたしから連絡するのは無理なんだと頭のどこかで、冷静に思った。