「…夢っ、夢っ、」

「…え、」

「っ、お前、何でこんなとこにっ!」

「…、」

「…っはぁ、とにかく、…無事で良かったよ。」

「…、大樹先輩…。」



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あの後、公園に移動して、人目につかない場所でベンチに座って、疲れた身体と心を休めようとした。

目を閉じていれば、いつのまにか眠っていたみたいだ。



「コンビニにいたら、夢のお父さん見かけて、焦って夢に電話しても出ないし、…心配した。」

「…ごめんなさい。」

「ん。…良かったよ、まだ探し出したところだから。」


…嘘。

だって、あの人が出ていったのは、お昼過ぎ。

1番近くのコンビニなら、往復で10分程度。

今はもう、西日が差してる。


一体いつから探し出してくれたのか。


「夢。」

「…、」

「どうした?」

「…、」

「その顔、何があった?」

「…。」

「話してよ。
迷惑だなんて、一度も思った事ないからさ。」

「…あ、あたし、」

「うん。」

「あたし、っ、…あた、し、っ、」

「ゆっくりでいいよ。
とりあえず、今は泣いたらいい。」

「…っふ、っ、く、…っ、大樹、先ぱ、いぃー、…っ、」






大樹先輩が探してくれたことに、


迷惑かけてしまった、そう思いながら、


あたしを探してくれる人がいることに、


優しく言葉をかけてくれることに、


心配してくれることに、


涙が止まらなくなった。