変わったのは、あたしが中学に入学した頃から。


あたしが気付いたのは、夜中に何かの物音で目が覚めた時。

その時は一戸建てに住んでいて、階下に降りたあたしは、衝撃をうけた。


父親の怒鳴り声がして、


お母さんのすすり泣く声がした。


始めてみた光景に、すごく怖くなって２階の部屋に慌てて戻った。


次の日から、お母さんの身体に消えることのない青アザが次々出来ていくのを、黙ってみていた。



それからは、夜中に目が覚めるたび、怒鳴り、当たり散らす父親の声がして、


しばらくそれが続けば、父親は、帰ってこなくなった。


お母さんは、朝には笑って必ずあたしに「おはよう。」と言ってくれた。


それが、痛々しくも、ひどくあたしの心を落ち着かせた。