家について、無言でリビングへ向かう父親。


あたしは、すぐに自分の部屋に向かおうとするも、


バンッ。


ダイニングテーブルを叩きつける音を聞いて、


その場に固まった。



「お前は何をやってるんだ。」

「あ、あの…、ご、ごめんなさい。」


慌てて謝る。


ドンッドンッと、足音を立てながらキッチンへ向かい、


冷蔵庫に向かい、お酒を取りだし、一気に煽る。



ドクン、ドクンと心臓が嫌な鼓動を刻む。



「何をやってるのかと、」

「…っ、」

「聞いてるんだ!!」


ガンッ!と、キッチンのカウンターを殴り付ける。


「あ、…あの、…あたし、」

「お前も俺の邪魔をするのか!」

「あ、…、」

「お前も!あの女みたいに、俺の仕事の邪魔をするのか!!」


ガンッ!


あたしがカウンターに置いて育てていた観葉植物が無惨に落ちて、土が散乱している。


「今日のこれで、どれだけ損害が出るか、お前に分かるのか!」

「ご、ごめん、ごめんなさい。」


バンッ!


あたしの立ってるすぐ横の壁が大きな音を出して、


「ごめんなさい。ほんとに、ごめんなさ、」


バシンッ!


あたしの左頬を、父親の右手が打った。