後ろから強い力で腕を引かれて口を塞がれたのは、

あと少しでコンビニが見える場所だった。

一瞬、誰にともなく「助けて!」と声を出したけど、

きっと聞こえていなかったと思う。



あとは、やっぱりさっきの家に連れて行かれて、

リビングに投げ捨てるように転ばされて、

3人はいた女の人たちに次々と罵倒された。


彼女たちは、あたしが藤真君といるところを数回見たらしい。

藤真君の後ろを歩くあたしが、彼のストーカーに見えたらしく、付きまとっているんだと勘違いしているらしかった。

『藤真の為に』  

彼女達はそう言った。



いや、違う。

藤真君の為に、ではなくて、ただの嫉妬だと思う。


誰のものでもない彼の近くにいたあたしが単純に邪魔だったんだ。


あたしはこの女の人たちを知ってる。


彼女達は、いつも藤真君の周りにいる綺麗な人達だから。