「まったね、夢ちゃん。」

「あ、うん。おじゃま、しました。」

「夢ちゃんならいつでも大歓迎。」


食事を済ませて、藤真君が学校に行く準備をする間、

リビングで待つあたしに色々話してくれていた桜汰君とは、かなり打ち解けたと思う。

人懐こい笑顔が可愛いらしい。


「ありがとう、桜汰君。」

「いーえ。」


にこっと笑い合う。


「夢。」

「え、」

「急がないと。」

「あ、うん。ごめんね。」


少し不機嫌な藤真君に注意されて、

慌てて靴を履けば、藤真君は先に家を出て行ってしまった。