「電気、消すよ。」

「あ、うん。」


電気のリモコンが部屋の明かりを奪って、

まだ目が慣れないあたしは、お布団の中で妙に緊張していた。


暗がりの中で、彼の気配を感じる。


「…と、藤真君?」

「…ん。」

「ど、したの?」

「…ん。」

「あ、こっちの布団のがい?あの、」

「…少し、黙って。」


暗がりの中で、藤真君が布団の上からあたしを抱き締める。


息をするのさえ聞こえてしまうだろうこの静寂の中で、

布団越しに感じる彼のぬくもりをいつまでも感じていたいと思っていた。